音楽ストリーミングサービス
メディアが変わればそれに合わせてコンテンツも変わっていく。
田端氏の名著「Media Maker」で述べられている真理だ。
音楽がカセットテープに録音されて販売されていた時代、基本的に頭から順番に聞いていくものだった。またカセットテープの録音時間が60分だったので、それに合わせたアルバムが制作せれた。
それがCDになると、簡単にスキップ可能になったために、最初にいきなりサビがくる曲がやたら増えた。
曲が始まってすぐに聞いている人の心を掴まないと、次の曲に飛ばされてしまうのだ。
次に、ネットでのダウンロード販売が普及してきたときに何が起こったかというと、1曲ずつのダウンロード販売が始まった。
これはアルバムという形での音楽発表がほとんど終焉したことを意味している。
よく言われるようにデジタルコンテンツは流通コストがほとんどゼロに近いので、1曲1曲をバラバラにしても10数曲をまとめたアルバムにしても流通コストが変わらないのだ。
更に、現代ではスマホが普及してほとんどネットに常時接続している状態になっている。
そうすると、音楽をダウンロードするという習慣すら失われつつある。
好きなアーティストや気分にあったスタイルを選択すると、延々と音楽を流し続けてくれる。
こうなると今、自分が聞いている曲がなんなのか徐々に気にしなくなっていくのではないだろうか。
主要なストリーミングサービスでもSpotify、Apple Music、LINE MUSIC、Google Play Music、AWA、Amazon Prime Musicなどが存在している。
よく見たらGAFAで提供していないのはFacebookだけ。
自分が一番利用しているのは実はSound Cloudという無料のストリーミングサービス。
特にお気に入りのアーティストもいないので、その時の気分にあった音楽が適当に流れていれば満足してしまう。
しかも音楽を流すシチュエーションはトレーニング時、勉強・読書で集中したいとき、リラックスしたいときの3パターンしかない。
Sound Cloudはジャンル毎に毎日のように新しいお勧め楽曲が提示されるので、そこからジャケットの見た目で選んで流しているだけだ。
これは簡単なようでいて、実はよく考えられているなと感じている。
音楽をジャンル分けしようとすると音楽に詳しい人ほど分類してしまう。
Pop、Jazz、EDM。。。
でも、聞きたい人にとってそれらのラベリングはあまり意味がなくて、気分にあった曲が聴ければいい。
今までは気分にマッチする度合いが高かったのがジャンルによるラベリングだったのだけど、どういうシチュエーションでどういった曲が選択されるのか、大量のデータがあれば、ユーザーにリコメンドできる。
今後はそういう方向性になるだろう。