ブロックチェーン/仮想通貨の未来

最初に言っておくが、僕はブロックチェーン/仮想通貨には未来があると思っている。
すばらしいテクノロジーだしインターネット革命以来のできごとだ、と言いたくなるのもある程度理解できる。
ただ、それでも現在の法定通貨の地位と取って代わることはないと考えている。
もちろん10年後のことは誰にもわからない。
しかし、現在の法定通貨の仕組みは数々の失敗を繰り返しながら、改善を重ね、今の形になっているのでそう簡単になくなるものではない。

ブロックチェーン/仮想通貨
サトシ・ナカモトの発表した論文を元にしたBitcoin。その最大の発明は「ビザンチン将軍問題」をPoWによって解決したこと。
PoWはある特定の意味のない問題を解くと報酬がもらえる。
Bitcoinの場合は、10分程度時間を要するように難易度が設定されている。

更に、その後1時間を待って正式に正解とみなされる。
これは同時に問題を解いた人(マイニングをしている)がいた場合でも、そこからどちらかのチェーンが伸びていき、1時間後に長い方が正式採用されるという仕組みだ。

Bitcoinの場合は10分、1時間と設定されているが、これは仮想通貨毎に異なる。

この設定は仮想通貨の堅牢性に直結する。

例えば、先日被害にあったモナコインは90秒。

それ分だけ速く決済できるが、堅牢性が低いとも言える。

更にマイニングに参加しているハッシュパワーが少ないと、51%以上のハッシュパワーを独占することが容易くなり、恣意的な決済が可能となる。

Bitcoinの場合、世界中で参加しているハッシュパワーが膨大なので、これの51%を専有することは難しい。

また、恣意的な決済を行うとBitcoinの評価が下がり、所有している価値が下がるので、アタックをかける方も慎重になるだろう。

だが、モナコインのように堅牢性が低く参加しているハッシュパワーも小さければ、標的となりうる。

結局、仮想通貨が安全だというのは、条件次第なので法定通貨に比較して安全というのは一概に言えない。

また、安全にしようとすればするほど決済に時間がかかるようになり使いにくい。

実際、街中の買い物で決済に10分待たされるって使い物にならない。

かと言って、時間を短くすれば簡単に51%攻撃が可能になるので、安全性は別の手段に頼ることになり、それって法定通貨と何が違うの?という状況になりかねない。

 

長くなりそうなので、次回に続く。