誰も語らないボディメイク界におけるドーピング問題
日本人がここ数年フィジークでは世界で結果を出せているのに対してボディビルではなかなか結果が出ず厳しい状況が続いている。
これはフィジークに出場している選手のレベルが急激に上がったわけではないし、日本人の骨格がフィジーク向きだったわけでもない。
主な要因はドーピングだ。
ボディビル界でのドーピング
世界的に有名なボディビルダーはほぼ100%ドーピングを取り入れている。
既に取り入れるのは前提事項で、取り入れる量、タイミングとトレーニングのボリューム、強度をどうシンクロするとより筋肥大するのか、という勝負になっている。
もちろん、先日行われたMr.Olympiaに出場するようなボディビルダーはほぼ100%全員ドーピングを取り入れている。予め言っておくと、この大会ではドーピングが検査がない以上、競技者本人がカミングアウトしないかぎり証拠はない。証拠はないが、コンテストに参加している競技者の間ではもう当たり前過ぎて話題にすらならない。
一方、ドーピングを取り入れない選手のことは「ナチュラル」とわざわざ呼称が付いている。日本ではJBBFがかなりアンチ・ドーピングに力を入れており、ドーピング検査を実施しているため、JBBF主催大会に出場している選手達は基本的にナチュラルだ。
ナチュラルビルダーとドーピングを取り入れているビルダーでは圧倒的に筋肉量が異なるので、同じ大会に出れば勝負にならない。
これが日本人ボディビルダーが世界で活躍できない理由だ。
Mr.Olympiaアマチュア部門がナチュラルで到達できる最高峰ではないだろうか。
一方のフィジーク部門もドーピングが取り入れられているものの、こちらはボディビルより取り入れ方が難しい。
世界のトップのボディビルダーを見るとわかるが、みなさんお腹がポッコリ出ている。
これは、ステロイドによって内蔵を作っている筋肉も肥大化した結果、お腹が膨れてしまっている。
フィジークの場合、ウエストの細さが評価の重要項目なので単純にステロイドを取り入れることが難しい。
このため、世界のトップ層はウエストは細いままでその他の部分を筋肥大させるような取り入れ方をしているそうだ。
ただ、この辺りにナチュラルである日本人も食い込みやすい要因がある。
要は、ドーピングでの差が出にくい部門であればナチュラルが多い日本人でも勝負になるということではないだろうか。