電気パルスで痩せるのか
電気パルスで筋肉を刺激して筋肥大させる目的の商品が売り出され、最近宣伝をよくみかける。
結構大々的にプロモーションしているので、そうとうマーケティングに力を入れている印象だ。
基本的なコピーは着けているだけで痩せるという売り文句。
確かに2-3万円で痩せて割れた腹筋が手に入るなら安いもの、という人は結構多いのではないだろうか。
この商品うんぬんの前に痩せることや筋肥大とはどういうことか確認しておこう。
痩せるとは?
痩せることの一番簡単な定義は体重が落ちることだろう。
体重計に乗って1kg減っていれば、その分痩せているという感覚はよくあると思う。
ところが、単純に体重が減っているだけでは、減ったのは脂肪なのか筋肉なのか、何が減ったのわからない。
痩せたいという人に話を聞くとたいてい脂肪だけ落としたいと言うので、減った体重がそのまま脂肪が減っているというのが理想のようだ。
つまり、痩せるとは脂肪だけを減らすことという定義が世間一般の考えだろう。
では、電気パルスによって脂肪だけが減るのだろうか?
そもそもそういった商品は電気パルスによって筋肉を刺激しているので、脂肪には直接働きかけていない。
では、筋肉を刺激して何をしているのか?
筋肉が発達する?
電気パルスによって筋肉を強制的に動かし、疲労させるということらしい。
疲労させることができるところまではいいのだけど、特にそれによって筋肥大が発生したというエビデンスはないようだ。
あくまで、疲労させてからには筋肥大するだろうという理屈らしい。
しかも、その疲労の度合いが弱々し過ぎる。
消費カロリーが増える?
では、筋肥大が望めないとして筋肉を動かしたことにより消費カロリーが増えているのだろうか。
おそらく多少増えているだろう。
ただ、そもそも運動による消費カロリー増加は微々たるもので、基礎代謝による消費カロリーの方が圧倒的に多い。
まとめ
結論としては、この商品を着けただけで痩せたり筋肉が増えることはないだろう。
しかし、着けたことによって意識が高まり、食事に気を使うとか、運動を始めてみたとか、目的地の一つ手前の駅で降りて歩いてみたといった、実は商品と関係のない行動によって痩せる効果が期待できる。
そのきっかけ作りに騙されてみるというのはありなのだろう。